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1998年(平成10年)11月24日、三重県伊勢市内で地域雑誌『伊勢志摩』(現『伊勢人』)の編集記者、辻出紀子さんが行方不明になりました。
警察は、彼女に自分の意志で失踪することがないことなどから、何かの事件に巻き込まれたとみて捜査をつづけています。しかし、ご両親や友人たちによる必死の情報提供の呼びかけもむなしく、何の手がかりもありません。
カメラと旅を愛した彼女の部屋には、学生時代にアジアで撮影した、1000枚を超す写真が残されていました。内戦が続いていたミャンマー(ビルマ)の辺境部でとらえた貴重な写真もあります。彼女は、ファインダー越しにさまざまな人たちと向き合い、人間的に成長したいと願っていました。
今年の春、私たちはこれらの写真を集め、三重県津市と彼女が学生時代を過ごした京都で「辻出紀子写真展 -旅のあしあと-」を開催しました。事件の風化を防ぎ、彼女の人柄を多くの人々に伝えることで、少しでも解決の糸口をつくりたいと考えたからです。2会場でのべ2800人もの方々が足を運んでくださいました。
そして、11月に行方不明になって3年を迎えるにあたり、さらに多くの人がご覧になり、事件に関心を持っていただきたいとの願いから、東京と伊勢で写真展を開催することになりました。
私たちは行方不明の捜査が、このままうやむやになることに焦燥を感じています。この写真展によって、行き詰まる警察の捜査をほんの少しでも後押しできればと願っています。 |
2001年10月1日
辻出紀子写真展実行委員会 |
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