紀子が勤務先を出たまま行方がわからなくなり、3年になろうとしています。
当初、私たちは心配しながらも、「元気な紀子のことだから、きっと事情があって連絡が取れないのだろう」と、楽観的に考えるように努めました。けれども、警察の方から事件性が濃厚との判断を聞かされて一転。心の中で「どうして紀子が!」「どうして私たち家族がこのような運命に!」と叫び続けました。
なんとか手がかりを求めようと、さまざまの人の協力を得て三重県内をかけまわりました。もしかしたら、一歩前進のきっかけがつかめるかもしれないと、本当は躊躇(ちゅうちょ)するようなことにも取り組んできました。すべては、一番辛い思いをしている紀子の発見に結びつけたいとの思いからでした。でも一筋の光も見いだせないまま時が過ぎてしまいました。
今年1月、紀子の友人たちが自宅に集まりました。紀子がアジアで撮影した写真を広く紹介し、紀子の人柄や、紀子に起こったことを伝えようと提案してくれました。忙しい仕事を抱えながら深夜まで打ち合わせをしたり、休日を準備に費やしたりする姿に、頭が下がる思いでした。「写真展を何とか成功させたい!」。そんな彼らの思いが諸先生方にも伝わり、貴重な時間をさいて文章をお寄せいただきました。事件の早期解決を願うアピール文にもたくさんの賛同を得ました。これらは私たちへの応援でもあると受けとめ、事件解決にむけて前向きの姿勢で頑張っていきたいと思っております。
あたたかいメッセ-ジをお寄せいただきました方々、カンパにご協力いただきました方々、心より御礼申し上げます。今回の写真展が成功することで、私たち家族と同じような思いをされている方々にも、少しの希望がさしあげられますことを願っております。
2001年10月1日
辻出 泰晴
美千代
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