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展示する全60点の写真は、辻出紀子さんが1996年12月から97年3月にかけてアジアで撮影したものです。この旅にはほぼ全行程を恋人(現在、京都市で会社員)が同行しました。撮影地を国別に分けると、ミャンマー(ビルマ)、タイ、バングラデシュ、中国・雲南省となります。なかでも中心はミャンマーの辺境部で撮影した写真です。この地域では軍事政権(政府軍)と自治権を求める少数民族ゲリラの内戦が続いています。このため、難民キャンプやゲリラ基地、ゲリラの支配地区(民族解放区)など、外国人の立ち入りが厳しく制限されている場所での写真が多いのが特徴です。
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ミャンマー・カレン州では少数民族ゲリラ「カレン民族解放戦線」と政府軍が交戦し、10万人を超えるカレン族難民が隣接するタイ・ターク県で暮らしています。紀子さんは2回にわたってこの地域を訪ね、難民の家に居候しながら写真を撮りました。帰国後、一部の写真は全国紙の夕刊(大阪本社版)に掲載されました。
代表写真:ミャンマーから戦禍を逃れてきた子どもたち、焼き打ちにあった難民キャンプで我が子を水浴びさせる女性、穏やかに笑う難民学校の女性教員、など。
ミャンマーの反政府ゲリラ組織「カチン独立機構」の支配地域。その軍事部門であるカチン独立軍は、政府軍と約30年にわたって内戦を続けていました。紀子さんが訪れた当時は停戦協定が結ばれていましたが、政府軍は外国人の立ち入りを厳しく制限。紀子さんらは地元住民に変装して潜入したようです。解放区ではゲリラ兵士に大歓迎されました。
代表写真:ゲリラ基地ではにかむ女性兵士、直立不動の少年兵、軍病院の医療部員など。
世界屈指のアヘン生産地として知られる「黄金の三角地帯」の核心部で、少数民族ワ族がつくる反政府ゲリラ・ワ族連合軍の支配地域です。中国人以外の外国人は入域できないため、紀子さんらは中国人商人になりすまして潜行したようです。日記によると、ヒッチハイクと徒歩でケシ栽培の農家を泊まり歩きました。
代表写真:朝日を浴びるケシ畑、ゲリラの少年兵たち、民族衣装を着たワ族の少女、箸と茶わんを持ってはにかむコーカン族の少女など。
ミャンマー・アラカン州から逃げてきたイスラム系住民が住む難民キャンプです。当時はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が主体になって、難民の帰還作業が進められていました。
代表写真:カメラの前に集まった子どもたち、帰還船に乗船する直前、不安げに故郷を眺める父親、母親のそばにしゃがみ込んだ少女など。
※1、このほか、タイ、中国雲南省、ミャンマー内陸部で撮影した写真も展示します。
※2、東京展では60点を、伊勢展では抜粋した約20〜30点を展示する予定です。 |
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